2018年01月15日
格安だから仕方ない?
諦める前にできることがある!
格安スマホを使い始めて数カ月、「最近何だかスマホの動作が重い」「写真が保存できなくなった!」そんな経験はないだろうか。格安スマホと一口に言っても、その種類はさまざま。5万円以上出せばキャリアの第一線で活躍する代表スマホブランドと張り合えるほどの性能を持っているが、3万円前後の安い機種は低スペックのローエンドモデルであることがほとんど。メモリもストレージも貧弱であることが多いため、キャパシティオーバーで動作がもっさりしてきたり、データの保存領域が足りなくなったりすることはよくある。
しかし、「格安で買ったのだから仕方ない」わけではない。スマホは、設定や使い方ひとつ工夫するだけで劇的に使いやすくできるのだ。
まず、スマホの動作が重たい原因として考えられるのがメモリの圧迫。データの保存先であるストレージのことを「メモリ」と呼ぶこともあるが、ここで言うメモリとはRAMのことである。
メモリ(RAM)とは、スマホの記憶装置のこと。といっても、データを記憶(保存)するという意味ではない。大雑把に言うと、スマホ上で行うさまざまな動作、それに伴うデータを一時的に記憶しておく場所のことで、よく“作業机”などと例えられる。メモリの数値が大きいほど作業机が広いということになるため、より効率的な作業が行える=動作が速くなる。ちなみに、性能の決め手となるのはCPUだが、こちらはスマホの“頭脳”とされるパーツ。つまり、CPUの性能が高くメモリの容量が大きいスマホは、頭がよく広い作業机でさまざまな作業を同時に行うことができるため、動作がサクサクと軽快になるのだ。
CPUは、性能が低いものが搭載されている以上、使い手側ではどうしようもない。しかしメモリに関しては、圧迫されている容量、つまりスペースを少しでも空けてあげることで負担を軽くすることが可能だ。メモリの圧迫にはいくつか原因が考えられる。
いちばんありがちなのが、【バックグラウンドで動作するアプリ】。アプリは、ホーム画面に戻っても完全に終了できているわけではない。実は裏側で勝手に動いているのである。そうなると当然メモリを消費するため、「アプリを使っていないのに動作が重たい」ということになってしまうのだ。解決方法は簡単。画面上部をタッチしたまま下へスライドして通知パネルを表示。現在起動中のタスク(アプリ)が表示されるので、「すべて削除」といったボタンをタップしてすべて終了させよう(詳細な操作方法は機種で異なる)。または、「設定」→「アプリ」をタップし、終了させたいアプリを選択。「強制終了」をタップしてもいい。
次に確認したいのが【ブラウザの閲覧履歴やキャッシュ】。キャッシュというのは、ブラウザ上で使ったり、表示したりしたデータを保存しておくシステム、またはそのデータのこと。たとえば、一度開いたWebページを再び表示する際、初回よりも表示スピードを速くするため、ページ上の画像(サムネイル)やアカウント情報を保存する……これがキャッシュだ。履歴もキャッシュも容量を持つデータなので、当然溜まってくればメモリを圧迫してしまう。月に一度は削除しておくことをおすすめしたい。
次に【ホーム画面上のウィジェット】。Androidは、ホーム画面や通知パネル上に時計や天気、Google検索など好きなアクセサリを表示させておくことができるが、これらも常に動いているためメモリを消費してしまう。まったく置かないようにするか、最小限まで減らしておこう。
続いてデータが保存できなくなるトラブル。これは単純に、ストレージがいっぱいで保存領域がなくなったということなので、新たなデータを入れたい場合は今入っているものを消すか、容量を増やすしかない。とはいえ、音楽や写真など必要なデータばかりで消したくないという人が大半だと思われるので、ここでは容量を増やすことに焦点を当てて解決策を探っていこう。
スマホのスペックに記載されているストレージを増やすことはできないが、AndroidはSDカードに対応するため、容量を追加することは非常に簡単。現在スマホのストレージにのみデータを保存しているならSDカードを買って挿せばいいし、すでにSDカードを使っているなら、より容量の大きなカードに差し替えればいい。SDカードには、サイズ別に「SDカード」「miniSDカード」「microSDカード」の3種、容量別に「SD」「SDHC」「SDXC」の3種がある。サイズも容量も、スマホの機種ごとに対応するものが異なるので、購入前によく確認しておこう。サイズは対応していても、容量(規格)が対応しておらず使えない……ということもある。なお、価格に関しては4GB程度であれば500円前後、32GBでも2000円前後で購入することができリーズナブル。今はコンビニでも販売しているので、非常に簡単に入手することが可能だ。
ちなみにSDカードが使えるスマホはAndroidのみ。iPhoneは非対応なので、ストレージが足りない場合は以降で紹介する方法をチェックしよう。
ストレージ容量を増やしたいなら、クラウドストレージサービスの活用もおすすめ。ネット経由でアクセスできる、ネット上のストレージのことで、無料または月額料金を支払うことで利用できる。
ネット上にあるため、アクセスするために必ずオンライン環境が必要となる点はデメリットだが、逆に端末を問わず利用できるのがメリットとなる。どういうことか説明しよう。
クラウドストレージは、無料でも有料でもサービスの会員登録が必要となる。登録を済ますとアカウント(IDとパスワード)が発行され、それを使ってサイトまたはアプリからログイン、自分専用のストレージ画面にアクセスできるという仕組みだ。つまり、アカウントさえあれば、スマホからでもタブレットからでも、パソコンからでもアクセスは可能。スマホ本体のストレージやSDカードに保存したデータは、オフラインでも見られる代わりにその端末からしかアクセスできない。SDカードは差し替えることで他端末でも見ることはできるが、場合によっては読み取り用のリーダーなどが必要になるなど面倒だ。その点、クラウドはアカウントとネット環境さえあればいつでもどこでも確認OKなうえ、ネット上に保存できるのでスマホを落として壊してもデータは無傷。クラッシュするという心配がないので、データのバックアップ先として現在もっともポピュラーな存在と言ってもいい。SDカードが使えないiPhoneでストレージ容量を増やしたいときに役に立つクラウドサービスだが、Androidであってもぜひ活用したいサービスだ。
では具体的にクラウドストレージサービスにはどのようなものがあるのだろうか。
代表的なところでは、Dropbox(5GB)、Googleドライブ(15GB)、Amazon Drive(5GB)、iCloud(5GB)がある。この中でiPhoneでしか使えないのはiCloudのみ。そのほかはすべて無料で、AndroidでもiPhoneでも利用可能だ。( )で記したのは、無料で使える最大容量。Googleドライブは15GBと飛び抜けて大容量だが、これはGmailの容量も含むので、純粋にデータの保存先としてのみ使えるサイズではないことは覚えておきたい。
どれも月額または年会費を支払うことで100GB、1TBなど大容量プランを契約できるが、用意されている容量や支払わなければならない料金はバラバラ。Amazon Driveは年会費制で、契約を解除する可能性を考えるとやや使いにくい部分はある。しかし比較的リーズナブルで、契約できる容量の幅も広い。とにかくたくさんのデータをクラウドに保存しておきたいという人にはいいだろう。
ただし、ここでおすすめしたいのはDropbox。選べる有料容量は1TBだけだが、Amazon Driveよりも安く、またスマホで撮影した写真やOfficeデータ程度であれば十分な容量。Dropboxはクラウドストレージサービスの中でも古参かつメジャーで、サードパーティアプリとの連携が強く、パソコン用のソフト、アプリもあるため使い勝手が良い。アカウント登録方法もシンプルなので、初心者でも簡単に扱えるはずだ。
動作が重くなったり、ストレージ容量が足りなくなったりするのは何も格安スマホだけではないが、ハイスペック機種と比較するとどうしても扱いにくくなりやすいのもまた事実。しかし、メモリを圧迫しないよう無駄なアプリを終了させたり、SDカードやクラウドサービスを活用したりすることで、手持ちのスマホは今よりずっと快適にすることができる。「格安スマホはやっぱり使えない」とサジを投げる前に、今すぐできる“改善テク”をぜひ試していただきたい。
格安スマホ比較検討
(SIM / MVNO)
「みんなの格安スマホ/SIMランキング」は格安SIMやMVNOにまつわる便利な情報、役立つ情報を発信するサイトです。