いまさら聞けないMVNOとMVNEの違いとは？
2017年10月27日
格安SIMを契約するときにMVNOと契約しますが、MVNEとの関係を気にしたことはありますか。MNO・MVNO・MVNEなど似た言葉がたくさんあるため、混乱する方も多いでしょう。格安SIMを選ぶにあたって重要なポイントになる横文字単語や基礎知識をまとめて解説いたします。格安スマホへの切り替えを考えているなら、目を通しておきましょう。
MVNOとMVNEの違い・関係を理解しよう
MVNOとは、仮想移動体通信事業者のことを指します。おなじみの大手携帯キャリアが保有しているネットワークを利用して通信環境を提供する会社であり、格安SIMを扱っています。大手携帯キャリアのことをMNOと呼んでいて、MNOとMVNOの関係は「回線を貸し出す事業者⇔回線を借りる事業者」と理解しましょう。
ネットワークの貸し借りをするにあたって、細かい利用条件や提供システムを整える必要があります。これをMVNOが主体的に行うのは大変なので、中継ぎ役としてのMVNEが登場しました。下記のようなノウハウ・業務サービスを提供することにより、MVNOの活動をサポートします。
・課金システム構築と運用
・回線接続や端末調達に関してMNOとの代理交渉
・メールサーバーなどアプリケーションプラットフォームの提供
・ネットワーク障害に関するユーザーの問い合わせサポート
・MNOとMVNOの間に立った回線卸業務
・事業全体を通したコンサルティングサポート
小売でイメージするとしたら、実際に製品を作っているメーカーがいて、仲買の商社に卸し、小売店が販売していく仕組みです。小売店が単独でメーカーと交渉するのは大変ですから、商社の役割が重要になってきます。商社は中間マージンをとるだけの存在ではなく、小売店の販売促進活動や店舗運営をサポートしていく立場となるはずです。「メーカー＝MNO」「商社＝MVNE」「小売店＝MVNO」と考えて、頭の整理をしてみましょう。
MVNEのサービス品質で格安SIMの評価が決まる
1つのMVNEが1つのMVNOを担当するわけではなく、1つのMVNEに複数のMVNOが属している関係です。回線の通信技術、設備関係はMVNEによって決まるため、格安SIMの評価に直結します。評判が良いMVNE下のMVNOが提供している格安SIMの中から自分に合ったプランを選択、活用していくことにより、安定した利用が期待できるといえるでしょう。課金やユーザーサポートを行うのもMVNEの責任なので、品質は大きく変わってきます。
どの業者がどこと関係しているのか会社として公表しているケース、大々的に公表しないケースがあって、個人で調べるのは骨が折れる作業です。格安スマホに関する比較サイトでは対応関係を一覧表記していることもあるので、購入前に参照すると良いでしょう。IPアドレスの所有者情報を検索するなどちょっとしたテクニックを活用すると調べることもできるようですが、知識がないと難しいです。回線速度に影響を与える要素としてMVNEの存在を理解する程度でも選び方は変わってくるため、頭の片隅に置いてください。
なお、MVNEを通さずに直接キャリアに接続している業者もあります。どちらが良いというわけではなく、より快適な通信環境を整えるためにどうしたら良いのかという企業の選択が反映された結果と考えてください。一般的には、回線設備にかけられるお金が多いほどユーザー満足度も高まります。設備投資をおざなりにすれば、利用者が増えるにつれて接続が遅くなって、情報検索やホームページの閲覧に影響が出てくるものです。今の段階で問題を感じなかったとしても徐々に品質が悪化していくリスクがあり、企業の改善努力が問われるところ。速度やサービス内容を比較して、納得できる業者と契約しましょう。
MVNO独自のオプションサービスも重要な視点
MVNEが通信品質を左右するとはいえ、業者ごとの独自オプションも差別化要因になっています。オプションとは、基本のプランに上乗せで契約するプラスアルファーのサービスのことです。セキュリティー強化やサポートシステムなどスマホを便利に安心して活用するためのいろいろなサービスがあり、上手に活用していくことでライフスタイルに合わせた使い方が広がります。
家族割サービスのように、世帯の何人かが一緒に切り替えることでよりリーズナブルな値段で活用できる仕組みは、親子でSIMフリーへの切り替えを考えている方に便利です。データ容量や通信速度に関するオプションもあり、快適にスマホを活用する環境を整えたいときに役立つでしょう。留守電話やメンテナンスに関するサービスのように基本的な内容はもちろんのこと、遠隔サポートや迷惑メール対策も便利です。オプションの充実度によって加入業者を選ぶのも、格安SIMを使いこなすにあたって重要な要素といえます。
MVNO・MVNEの違いを正しく把握しておくと、格安SIMに関する理解が深まります。自分で手を動かして設定をする内容も多い格安SIMだからこそ、基本的な技術やサービス提供体制についての知識は重要です。専門的な用語も出てきますが、ひとつずつおさらいしていけば理解は深まります。
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