2018年07月10日
格安SIMへの乗り換えはトラブルなどが心配……
2010年頃を境にガラケーに代わるモバイル端末として普及していき、現在では国民の7割以上が利用しているというスマートフォン。ガラケーを契約する時はドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアくらいしかほとんど選択肢がなかった。それはスマホ時代に移行しても同様で、いずれかのキャリアで契約してスマホを使っているというのが当たり前であった。
そんな中、キャリアで契約する以外の第2の選択肢として、ここ数年大きな注目を集めているのが「格安SIM」の存在だ。
格安SIMはMVNOと呼ばれる通信事業者で契約して使うSIMのことで、その名の通り、キャリアで契約するより大幅に月額料金を安くできるという特徴を持つ。そして、当初はiPhoneはソフトバンクでしか契約できないなど違いもあったものの、近年キャリアごとの差はほぼなくなりつつある。そのため、「安さ」という非常にシンプルでわかりやすく、かつユーザーに大きな魅力を与える存在である格安SIMに、キャリアから乗り換えようという人はかなり増えてきているようだ。
しかし、ガラケー時代からあわせるとかなりの年月をキャリアで契約してきた人たちにとって、格安SIMへの乗り換えはいささか不安なことも多い。安くなるとはいうものの、逆にデメリットもあるのではないか、キャリアのように困ったときにしっかりサポートしてくれる体制は整っているのか、などの心配事を抱えたままでは、どうにも乗り換えに踏ん切りがつかないのも仕方ないだろう。
では、どうすれば良いのかというと、やはり実際に店員に話を聞きながら、乗り換えについて検討できるというのが安心だ。
そこで、今回は契約時や購入後に心配事やトラブルがあっても安心できる、実店舗での乗り換えについて、その方法やメリットなどを紹介していこう。
最近ではそうでもなくなってきたが、もともと格安SIMを提供しているMVNOは、実店舗を構えることなくネットでのみ申し込みできるというのが一般的だった。というのも、格安SIMがキャリアよりも通信料金を抑えることができるのは、キャリアと比べてさまざまなコストをかけないからという理由がある。
たとえば、キャリアは自社で全国に基地局を用意することで、安定した通信を提供する代わりに、設備の維持費などに莫大な予算をかけている。一方、格安SIMの場合は自社で通信設備は持っておらず、キャリアの通信回線の一部を有料で借り、それをユーザーに提供するという事業形態をとっている。そのため、通信の品質でいうとキャリアには劣ってしまうものの、経費を削減することができているのだ。
それと同様に、キャリアは全国いたるところに実店舗を構えて、ユーザーが機種変更や相談などを行いたい場合、気軽に訪れることができるというのが一般的。対して格安SIMは、その多くが実店舗がなく、ネットと電話でのみ問い合わせができるということになっている。
店舗の維持費用が浮いた分が通信料金の安さに繋がってはいるのだが、実店舗で店員とやり取りしたい人にとっては、少々ハードルの高い存在という風に見られがちだ。
だが、安心してほしい。最近では自ら実店舗を持っているMVNOも増えてきており、また、それ以外でも家電量販店などの格安SIMコーナーで店員と話しながら購入を検討できたりするMVNOも多い。こうしたMVN0の格安SIMを選ぶことで、キャリアからの乗り換えでも比較的戸惑うことが少なく済むのではないだろうか。
実店舗がある具体的なメリットについてだが、先ほどから述べているように、まず第一に店員に相談できるということが挙げられる。
格安SIMのデメリットとして、キャリアよりもサポート体制が劣るというものがある。もちろん数あるMVNOによって充実度はピンからキリまで幅広いのだが、特にすべてのユーザーに関わる問題として、どのMVNOでも基本的に初期設定を自分で行わなければならない。
これまでキャリアで契約してスマホを使ってきたとき、実はすでにSIMカードをスマホに挿入し、初期設定を済ませてくれた状態で自分の手元に渡っている。そのため、ひょっとするとキャリアでのスマホユーザーの多くは、最初に初期設定が必要だということを知らないという可能性もあるのではないだろうか。
そのため、こういった人がネットで格安SIMを購入し、いざ使い始めようとすると、まったく使い方が分からなくなるという場合が多いに考えられる。
そこで、実店舗のあるMVNOで契約をするとどうか。自分で操作しなければならないということには変わりないが、少なくとも初期設定が必要で、だいたいこういう操作が必要だということの説明程度であれば問題なくしてくれるだろう。
また、一部のMVNOでは、その場で初期設定を行ってくれる有料オプションを提供していることがある。万が一どうしても方法がわからないという人は、そういったオプションを利用してみるのも一つの手だ。ただし、やり方さえ知ってしまえばそれほど難しいわけでもないので、有料オプションを利用するよりは、店員に相談のうえ自分の手で操作を行うことをおすすめする。
実店舗で契約することのメリットは上記で述べた事だけではなく、即日開通が可能だという点も大きい。
ネットでの申し込みでは、どうしても申し込みが完了してからSIMカードが手元に届くまで時間がかかってしまい、電話番号を引き継ぐ場合などは、引き継ぎ設定を行うタイミングに注意しないと、SIMカードが届くまでスマホが満足に使えなくなってしまうという自体も起こりうる。
その点、実店舗で契約してしまえばその場でSIMカードを受け取ることができるので、すぐに新しい格安SIMを利用し始めることが可能だ。なお、手続きを行った時間帯や混雑具合など、状況によっては当日中に手続きが終わらない可能性もあるので注意してほしい。
手続きの際、即日乗り換えを完了させるために必ず持参しなければならないものが主に3つある。
まず1つ目が、「本人を確認できる書類」だ。具体的には免許証やパスポートなどで、これがないと契約することができない。
続いて2つ目は、「本人名義のクレジットカード」だ。キャリアでは銀行口座からの引き落としやコンビニ支払いなどに対応しているのが普通だが、格安SIMは一部のMVNOを除き、クレジットカードによる支払いしか受け付けていない。また本人名義である必要性があるため、持っていない人は乗り換え前にクレジットカードを作成しておくべきだろう。
そして、3つ目は意外と盲点なのだが、「フリーメールのメールアドレス」だ。これを手続きの前にあらかじめ準備しておく必要がある。なぜなら、格安SIMに乗り換えると、それまでキャリアで利用していたキャリアメールは使えなくなってしまうからだ。MVNOから認証メールを受け取らなければならない場面も出てくるので、
持っていない人は事前に用意しておくということを忘れないようにしたい。
そして、こちらは契約に関して必須というわけではないが、キャリア時代の電話番号を続けて使うにはMNPという予約番号を手配しておく必要がある。こちらはキャリアのサポートで手配が可能で、引き継ぎは有料となっているが電話番号をそのまま使える恩恵は大きいと思うので、同様に忘れず手配しておこう。
以上の4項目をしっかり準備しておけば、実店舗で問題なく乗り換えられるはずだ。キャリアからの乗り換えに不安を抱いている人は、ぜひ実店舗での乗り換えを検討してみてほしい。
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