2018年04月21日
【オプションサービスの手厚さはMVNOによって大きく異なる】
格安SIMの最大のメリットは、キャリアより通信費を節約できることに相違ないだろう。では、実際に乗り換えることにした場合、たくさんあるMVNOからどのように選ぶのか、というのは人それぞれ異なる。
ただし、そもそも安い格安SIMをさらに料金で選択するのはあまりオススメしない。格安SIMは全体的にキャリアより大幅に安く、各MVNOでの差というと実はそれほど大きくはない。特に安いMVNOとそうでないところでも月額数十円からせいぜい数百円程度しか変わらないため、その差に固執するくらいなら、別のポイントで比較した方が賢明だろう。
その別のポイントとして本記事で紹介するのは、オプションサービスだ。MVNOは安い分、サービス面では基本的にキャリアに及ばない。しかし、その充実度はMVNOによって異なり、自分の求めるサービスが受けられるかどうかは、MVNOの選択次第で大きく変わるのだ。
そこで、今回は主要なMVNO 11社を対象に、特に注目すべきオプションサービスへの対応について紹介していく。
MVNO 11社ならびに、確認するオプションサービスは以下の通りだ。
【調査したMVNO】
・IIJmio
・mineo
・OCN モバイル ONE
・BIGLOBEモバイル
・NifMo
・DMM mobile
・イオンモバイル
・楽天モバイル
・LINEモバイル
・Y!mobile
・UQ mobile
【オプションサービス】
・かけ放題
・データ容量の繰り越し
・高速/低速通信の切り替え
・カウントフリー
各MVNOのオプションサービスへの対応は、記事の最後で表にまとめているので、そちらもチェックしてみてほしい。
まず最初に確認していくのは「かけ放題」について。
かけ放題とは、指定された時間内であればどれだけ通話しても料金がかからないサービスのことだ。キャリアでは時間制限なしの完全かけ放題が提供されているが、格安SIMで対応しているMVNOはほとんどなく、5分や10分の時間制限ありのタイプが主流となっている。
そんなかけ放題に対応しているMVNOを確認していこう。
完全かけ放題に対応しているのは
・Y!mobile
のみ。
Y!mobileは月額1000円で国内への通話が無料になる完全かけ放題を提供している。完全かけ放題で月額1000円はほかのMVNOと比べると破格の値段だが、その分プランの基本料金は少々割高となっている。
ちなみに、データ回線を使って通話するIP電話を用いた完全かけ放題を提供するMVNOもあるが、通常の通話サービスではないのでここでは省略する。
続いて10分完全かけ放題に対応しているのは
・IIJmio
・mineo
・OCN モバイル ONE
・NifMo
・DMM mobile
・イオンモバイル
・Y!mobile
の7社。
こちらは10分間であれば通話料金が無料のオプションサービス。基本的にどのMVNOもサービス内容に差はなく、いずれも月額830~850円程度となっている。
ただし、Y!mobileのみそもそもの基本料金に10分完全かけ放題が組み込まれているので、別途加入する必要がない。
5分完全かけ放題に対応しているのは
・楽天モバイル
・UQ mobile
の2社。
楽天モバイルは月額850円の有料オプション、UQ mobileは基本料金に5分かけ放題が組み込まれている。
3分かけ放題に対応しているのは
・IIJmio
・BIGLOBEモバイル
の2社。
IIJmioとBIGLOBEモバイルはともに月額600円。10分かけ放題との料金差が小さいことを考えると、3分かけ放題はやや魅力に欠ける。
また、その他のかけ放題として、「前月通話した中で、通話料金が高かった3つの発信先に電話する場合のみ、通話料金が無料になる」というかけ放題や、「合計60分など、1カ月の通話の一定時間分を、定額で利用できる」といったかけ放題などを提供しているMVNOも存在する。
【データの無駄遣いを減らせる高速/低速通信の切り替えサービス】
続いては、高速/低速通信の切り替え。低速通信のメリットは、データ容量を消費しない点にある。
たとえば文字がメインのニュース記事やサイトを確認したり、LINEでメッセージを送ったりする際、通信速度が遅くてもさして困ることはない。そんなときに低速通信へ切り替えることができれば、データの無駄遣いを減らすことができるのだ。
高速/低速通信の切り替えに対応しているのは
・IIJmio
・mineo
・OCN モバイル ONE
・DMM mobile
・イオンモバイル
・楽天モバイル
・UQ mobile
の7社。
切り替え方法はというと、基本的にこれらのMVNOはユーザー向けの公式アプリを用意している。アプリではその月のデータ残量を確認したり、プランの変更申請などを行えたりするのだが、そこで通信速度の切り替えも設定することが可能だ。
最後にご紹介するのは、特定のサービスの利用時のみ、データ容量を消費しなくなるというカウントフリー。どのようなサービスに対応するのかはMVNOによって異なるので、その対象とともに確認していこう。
カウントフリーに対応しているのは
・mineo
・OCN モバイル ONE
・BIGLOBEモバイル
・DMM mobile
・LINEモバイル
の5社。
mineoはIP電話サービス「LaLa Call」の通話による通信がカウントフリーになる。オプションの申し込みは不要で、全プラン共通で対象となっている。
OCN モバイル ONEは「AWA」「dヒッツ」「Google Play Music」など6つの音楽サービスがカウントフリーになる「MUSICカウントフリー」を、2018年7月末までトライアルとして、申し込んだユーザーを対象に無料で実施している。その後のサービスの継続は、記事執筆時点では不明だ。また、IP電話サービスの「050 plus」など、自社で提供しているサービスのカウントフリーを申し込み不要で実施している。
BIGLOBEモバイルは3、6、12、20、30GBのプランの契約者を対象に、「YouTube」「Abema TV」「Amazon Music」など10個のエンタメ系サービスのカウントフリーを提供している。オプションは別途有料での加入が必要で、音声通話SIMの場合は480円、データ通信SIMの場合は980円で加入可能だ。
DMM mobileは3、5、7、8、10、15、20GBのプランを対象に、「LINE」「Twitter」「Facebook」「Facebook Messenger」「Instagram」というSNSアプリがカウントフリーになる「エンタメフリーオプション」を提供している。SIMの種類に限らず、250円で加入できる。
LINEモバイルはプランによってカウントフリーの対象が異なる。「コミュニケーションフリープラン」では「LINE」「Twitter」「Facebook」「Instagram」が対象に、「MUSIC+プラン」ではその4つに加え「LINE MUSIC」も対象となっている。どちらのプランも、3、5、7、10GBの容量から選択できる。
また、容量は1GBのみで、カウントフリーの対象は「LINE」のみの「LINEフリープラン」も提供されている。
それでは最後に、MVNOごとにオプションの対応をまとめたので確認してほしい。
ここまで主要MVNO 11社のオプションサービスを紹介してきたが、オプションだけを見ても、MVNOごとにさまざまな特徴があることがお分かりいただけただろうか。
今回の記事に含まれなかったMVNOにも、さまざまなオプションサービスやその他の特徴が存在するので、それらを比較し、もっとも自分に適した格安SIMを見つけてほしい。
*情報は2018年4月27日現在のものを参考にしています。
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