2017年10月30日
価格はもはや横並び!今見るべきはサービス内容!
ここ1、2年で一気に普及したモバイル業界のトレンドといえば、格安SIMをおいてほかにはないだろう。
キャリアであれば2GBで5000円以上かかる月額料金が、3GBで1600円など半額以下まで下がる格安SIM。テレビCMや電車の広告などにより、今でこそ広く認知されているが、サービス自体は7年以上前から存在していた。登場時こそ、一般消費者の目にも耳にも届かなかった格安SIM。その後スマホ過渡期を過ぎ、ガラケー時代では考えられなかった月額料金に人々が頭を悩ますようになってようやく注目され、今に至る。
つまり、格安SIMはポッと出の存在のようで、実はそうではないサービスであり、キャリアからユーザーを奪取するための価格競争はもはや収束気味。格安SIMを提供する会社のことを「MVNO」と呼ぶが、各社が提示する月額料金を見比べてみるとほぼ横並び状態であることがわかる。
しかし、格安SIMはまだまだ戦国時代と言っていい状態が続いており、その勢いはしばらく衰えそうにない。もちろん、ここ最近で増えたCMや広告効果で、興味を持ち始めた人が急増したからという部分は大きい。しかし、月額料金が飽和状態になった各MVNOが、そのほかの部分に注力しはじめ、キャリアに負けない充実したサービス環境が整ってきたことも一因といえるだろう。そして今こそ、格安SIM選びはその付加価値に目を向けるとき。今回は、各MVNOで注目したいトレンドやサービスをチェックしていこう。
今注目したい格安SIMのサービスにはいったいどのようなものがあるのだろうか。代表的なところでは、「カウントフリー」や「かけ放題」、「大容量プラン」といったものが挙げられる。
まずカウントフリーとは、特定のアプリ(サービス)内での通信料をタダにしますよ、というもの。たとえばLINEモバイルは、自社のLINEをはじめFacebookやインスタグラムといったSNSのカウントフリーに対応している。LINEモバイルは2016年9月に登場したばかりの、まだ新しい格安SIMだが、LINEユーザー数の多さと、カウントフリーの話題性も手伝って、今ではすっかり定番のMVNOに成長した。
そして「かけ放題」には2種類ある。ひとつは5分間のみ、10分間のみと1回あたりの通話時間を区切って通話料を無料にするというもの。もちろん、5分・10分たつと通話が切れるわけではない。その間の通話料だけ無料になるということだ。
そしてもうひとつの「かけ放題」は時間無制限で通話料が無料になるというもの。これは何分・何時間話しても通話料は無料。2014年春に各キャリアがこぞってはじめたかけ放題と、同等の内容と考えていいだろう。ちなみに、格安SIMのかけ放題はいずれも月額オプション扱いになるので、契約プラン+αの料金がかかってくるということは覚えておきたい。
ドコモでたとえると、前者は「カケホーダイライト(1回あたり5分以内の通話無料)」、後者は「カケホーダイ(無制限に通話無料)」ということになるが、無制限かけ放題は今のところワイモバイルと楽天モバイルの2社のみとなる(2017年10月現在)。とはいえ、5分・10分など時間を区切ったかけ放題の場合、無料通話時間を超過しても通話料は半額(30秒/10円)になるMVNOが多い(指定通話アプリ利用時の場合)ため、1回あたりの通話時間が長い場合でも、無制限かけ放題の月額料金を払うより安く済む場合はある。
では、ここからは代表的なMVNOがウリとしているサービスをチェックしていきたい。特定のMVNOしか行っていないようなサービスとなると、かなり数が多いうえに情報が散漫になるため、ここでは主要サービスから該当するMVNOをチェック。そのうえで、ライフスタイル別に「選んで損ナシ」の格安SIMを1枚ご案内しよう。
<カウントフリー>
「カウントフリー」は、対象となるアプリやサービスのみ通信料が無料になるサービス。ポイントとなるのは「対象アプリは何か」「対象アプリがいくつあるか」ということ。Twitter、Facebook、インスタグラム、LINEといった主要SNSを対象とするMVNOは多いが、中でもおすすめなのは、「LINEモバイル」「FREETEL」の2つ。どちらも他社にはないLINEが対象アプリに入っており、利用価値が高い。カウントフリー機能に大きな違いはないが、FREETELの場合「使った分だけ安心プラン/定額プラン(1GB)」契約時は、LINEの無料通話とビデオ通話がカウントフリー対象外となるので注意が必要だ。
SNSよりもYouTubeやApple Musicなど動画・音楽配信を重視するなら「BIGLOBEモバイル」一択。主要MVNOの中で唯一、動画・音楽配信サービスのカウントフリーに対応している。ほかのMVNOと違って月額制の有料オプション(音声SIM契約で月額480円)だが、YouTubeなどの動画・音楽配信サービスは通信量が大きい。そのために大容量プランを契約するより安く済むはずだ。
ちなみに、カウントフリーとはいえ、対象アプリやサービスの全通信が無料になるわけではない。たとえば、LINEがカウントフリーであったとしても、「LINE LIVE(ストリーミング動画再生)」は有料になるなど、特定のサービスはカウントフリー対象外となることが多いので、詳細は必ず事前にチェックしておこう。
<かけ放題(5分・10分)>
5分・10分など通話時間を区切って通話料を無料にするかけ放題は、主要MVNOが導入済み。現在のトレンドは10分かけ放題で、2017年秋には5分かけ放題を廃止し、サービスをリニューアルしたMVNOも多くみられた。
月額料金だけで比較すると、もっともお得なのは「IIJmio」の月額830円。大半のMVNOは、850円、中には「FREETEL」のように1499円と2倍近い料金設定をしているMVNOもある。ただし、FREETELは代表的なMVNOの中では唯一「1分かけ放題」を299円で提供しているため、用途に適しているのであれば選択肢には十分入る。
ちなみに、5分かけ放題の月額料金は840~780円と、10分かけ放題と比較しても大差ない。今後サービスがリニューアルされる可能性は高いが、かけ放題目的で契約をするのであれば、10分かけ放題に対応しないMVNOを選ぶ必要はない。
<かけ放題(無制限)>
キャリアでかけ放題を利用しており、実際に1回あたりの通話時間が長いという人は、無制限のかけ放題サービスを導入しているMVNOがおすすめ。
先述したが、無制限のかけ放題を提供しているのは、2017年10月現在ではワイモバイルと楽天モバイルのみとなる。ワイモバイルは月額1000円、楽天モバイルは2380円なので、月額料金だけみれば圧倒的にワイモバイルがお得だ。ただし、楽天モバイルは「楽天市場」で貯めて使える楽天スーパーポイントに対応する。月額料金をポイントで支払う、逆に月額料金でポイントを貯めることも可能なので、楽天ユーザーには魅力だ。かけ放題の月額料金だけではなく、総合的なサービスが自分に適しているか見極め、選択したい。
<大容量データ>
ソフトバンクの「ギガモンスター」を筆頭に、2016年秋ごろから各キャリアが順次スタートした大容量プランは、格安SIMならお得に利用できる。「とにかく大容量を安く」という人におすすめなのは「イオンモバイル」の「音声50GBプラン」月額1万800円。50GBプランはFREETELでも用意されているが、月額1万2500円と高額なので、安さを求めるのであればイオンモバイルを選ぶのが正解だろう。
なお、大容量データの使い道としては、個人で消費するほか家族とシェアするという方法もある。データシェアは、親回線が代表して大容量データプランを契約、子回線としてSIMカードを追加契約し、同じデータ容量を分け合って使うというもの。家族で使うデータ容量にバラつきがある場合はデータシェアをすることでムダがなくなり、また個人でスマホ、タブレット、モバイルルータと複数の端末を使い分けている場合も1契約で済むため手軽だ。
月額料金に大差はないとはいえ、格安SIMに興味を持ったからには、スマホの月額料金を少しでも安くしたいと考えているはずだ。「1円でも節約!」というのであれば比較検討することは無駄ではないが、そもそも格安SIMに乗り換えた時点で、キャリア時代より、少なくとも半額以下にはできるのである。だったら、今回紹介したような月額料金+αのサービス内容に目を向けてみるというのは、トレンドに沿った“損をしない格安SIM選び”といえるだろう。
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