2018年06月05日
【安いからという理由だけで簡単に乗り換えるのは危険】
さすがに格安SIMという言葉を、一度も耳にしたことがないという人はかなり少なくなってきたように思う。最大の特徴はプランの月額料金の安さで、これまでキャリアで毎月1万円近く支払っていたような人でも、支払い額を半額以下にまで抑えることだって可能だ。その代わりに通信速度が低速になりがちといったデメリットもあるが、それでもなお余りある、安さというメリットは非常に魅力的だろう。
そんな格安SIMだが、キャリアでは当たり前のように利用することができていたサービスの中には、乗り換えると使えなくなってしまうものも存在する。安さのことしか考えずに勢いで乗り換えてしまうと、頻繁に頼っていたサービスや機能が使えないために、不便を強いられてしまう……なんてことも起こりうるのだ。
そこで、本記事では格安SIMに乗り換えることで利用できなくなる主なサービスについて取り上げていく。乗り換えを検討中の人、また格安SIMに興味を抱いている人は、この機会にぜひ、どんなサービスが使えなくなるのか確認してほしい。
ひとくちに格安SIMといっても、MVNOによって提供しているサービスはさまざまなので、乗り換えたからといって確実に使えなくなってしまうサービスや機能はそれほど多くない。その中で、一度乗り換えてしまうと二度と使えないサービスが、キャリアメールだ。
キャリアメールとは、「@docomo.ne.jp」、「@ezweb.ne.jp」、「@au.com」、「@softbank.ne.jp」などのドメインを用いたメールサービスのこと。基本的にキャリアで契約してスマホを使っている人は、自分のメールアドレスを所持しているはずだ。
最近はかなりの人がプライベートのみならず、職場の人との業務連絡なども「LINE」アプリで手軽に行っている。そのため、メールを使って連絡を取っている人は非常に少なくなってきているように思う。しかし、昔から利用しているサービスなどでは、キャリアメールを用いてユーザー登録を行っているサービスもあるのではないだろうか。そうしたサービスのことを忘れて格安SIMに乗り換えてしまうと、下手をするとそのサービスにログインできなくなり、二度と利用できなくなってしまう
また、ご年配の方と連絡を取る場合は、メールを使っているケースも多いと思うので、自分のおじいちゃんやおばあちゃん連絡が取れなくなってしまった……なんて事態は避けたいところだろう。
そんなキャリアメール問題について、解決策としては、乗り換える前に格安SIMでも利用できるフリーメール(Gmailなどの無料で登録してつかえるメールサービスのこと)のアドレスを作成し、キャリアメールを登録しているサイトの登録情報を変更したり、キャリアメールで連絡を取っている相手にフリーメールのアドレスを伝えたりすることが挙げられる。フリーメールのアカウントは格安SIMにしてからでも作成することができるが、必ず乗り換える前に行わないと、変更したことを伝えるすべがなくなってしまうので、注意してほしい。
必ずというわけではないが、格安SIMに乗り換えることで利用できなくなるサービスの一つが「テザリング」だ。
テザリングとは、自分のスマホからWi-Fiを発信することで、その他のデジタル機器をネット接続させることができる機能のこと。今の時代、ありとあらゆる場所でWi-Fiは活用されており、これが使えると使えないでは生活水準が大きく変わってしまうといっても過言ではない。
Wi-Fiは専用の回線やルーターを用意することで利用するのが一般的なのだが、そうした準備がなくても、スマホのテザリング機能を活用することで、スマホがルーターの代わりとなりWi-Fiに接続できるようになるのだ。
もし、自宅や会社にWi-Fiが導入されておらず、普段からWi-Fiを使うときはテザリングを使っているような人は、格安SIMに乗り換えたことでテザリングが使えなくなると、非常に困ってしまうということは想像に難くない。この、新たにWi-Fiルーターを買ってきて環境を整えるしかなくなるので、せっかく安い格安SIMに乗り換えたのに、かえって出費がかさんでしまうということにもなりうる。
このように、テザリング機能が使えるかどうかは、人によっては非常に大きな問題となるのだが、ではテザリングが使えなくなるのはどんな場合なのかというと、それは契約するプランが使用している回線と、利用するスマホの機種の組み合わせに左右される。たとえば、SIMフリー版のiPhoneでドコモ回線の格安SIMを使う場合は、問題なくテザリングを利用することができる。しかし、ドコモで使っていたiPhoneをそのまま格安SIMでも使う場合、au回線の格安SIMを契約するとテザリングは使えない。このように、機種と回線によって使用可能な組み合わせがまったく異なる。そのため、乗り換える際には、まず使用するスマホの機種を決めておき、その機種でテザリングを行えるのかどうか、MVNOの公式サイトなどで事前に確認するようにしよう。
家族みんながスマホを使っている家庭の場合、全員が同じキャリアで契約していることも多いのではないだろうか。その場合、キャリアが用意している家族割などのサービスを利用して、月額料金を安くするなどお得に契約しているのが一般的だ。
そんな家族割だが、実は格安SIMではキャリアのような家族割を用意しているMVNOはあまりない。そのため、家族みんなで格安SIMに乗り換えたからといって、家族である恩恵を受けられる可能性は低いのだ。
格安SIMの場合、家族割に該当するようなものといえば、家族でのシェアプランが挙げられる。その名の通り、データ容量を家族でシェアして使うというのがシェアプランだ。だが、シェアプランもMVNOの中で採用しているところはそれほどないので、やはり家族であることの利点は、キャリアほど活かせないといえるだろう。
家族割のような料金が安くなるもの以外にも、キャリアではユーザーがお得になるようなさまざまなプランやサービスが用意されている。
しかし、格安SIMはそもそもの料金が安い代わりに、そういったサービスなどがキャリアのように充実していることはまずない。料金以外の面のサービスに期待してキャリアでスマホを使っている人は、格安SIMに移行後は使えなくなってしまう可能性が高いので気を付けてほしい。
ほかには、キャリアでないとアプリやサービス内の認証システムが使えないというケースも起こりうる。
代表的なアプリがLINEで、アプリ内でユーザーのID検索機能を利用するには認証をクリアしないといけないのだが、これは基本的にキャリアスマホでしか受けることはできず、格安SIMでは受け付けてもらえない可能性が高い。
つまり、格安SIMに乗り換えると、IDでLINEユーザーを検索することは難しくなってしまうということになる。
ほかのアプリでも、LINEのように認証システムが使えない可能性もあるので、こうした思わぬデメリットが発生するかもしれないということを、キャリアユーザーは認識しておく必要があるだろう。
ここまで、格安SIMに乗り換えることで生じてしまうさまざまな「できなくなること」を紹介してきたが、これらはあくまで格安SIMの特徴の一部分でしかなく、もちろん月額料金の安さのように、格安SIMの方がキャリアより優れている部分も存在する。
何かのサービスが使えなくなるといったようなデメリットも踏まえたうえで、乗り換えるかどうかしっかり検討してみてほしい。
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