2018年05月10日
【乗り換えが初めてならスマホ歴が長くてもビギナー】
注目度の高さから、乗り換えを意識するようになった人も多くなった格安SIM。利用するための最初のハードルとして手動での乗り換え方法が挙げられることが多く、本サイトでも乗り換え方法に関する記事は多数掲載されている。
そんな格安SIMへの乗り換えだが、難しいと感じるのは機械の操作が苦手な人だけで、キャリアでずっとスマホを使っていた自分なら特に迷うことなく乗り換えられる、と思っている人も案外たくさんいるのではないだろうか。
しかし、いくらキャリアでスマホを使っていたとしても、格安SIMに乗り換えるのが初めてであれば、それは格安SIMでスマホデビューする人と何ら変わらないビギナーである。「自分は大丈夫だ」と思っている人に限って、思わぬ落とし穴にはまってしまったりすることもあるのだ。
今回は、そんな“わかったつもり”が招いた乗り換えの失敗体験談を3つ紹介しよう。
乗り換え時の失敗におけるもっともオーソドックスな原因は、やはり初期設定を正しく行わなかった点にあるだろう。
【Aさんのケース】
店舗で格安SIMに乗り換えたAさん。スマホとSIMカードを自宅へ持って帰り、SIMカードを挿入してスマホを使おうとした。カードの挿入は自分で出来ると思い、店員には頼まなかった。しかし、いくら待ってもインターネットへ接続することができない。初期不良だと思ったAさんは、翌日再び店舗を訪れることになってしまったのだった。
このAさんのように、SIMカードを挿入したのにインターネットに接続できなくて困る、というのは格安SIMでありがちな失敗の一つだ。その原因は、APN設定を済ませていないことにある。
APN設定とは、スマホなどの機器でインターネットに接続するために必要となる設定のこと。キャリアでも最初は同じように設定する必要があるのだが、キャリアの場合はショップで店員がAPN設定を行ったうえで自分の手元に届くため、その存在を意識することはない。だが、格安SIMではその設定を自分でしなければならないので、そのことを知らないとAさんのようにインターネットに接続できないというトラブルが発生してしまうのだ。
詳しいAPN設定の手順は、格安SIMを購入した際の説明書やMVNOの公式サイトなどで確認することができるが、基本的に知っておいてほしいのは、iPhoneとAndroid端末で方法が大きく異なるということだ。
iPhoneの場合、ブラウザから所定のサイトにアクセスし、構成プロファイルをインストールすることで完了する。このときの注意点として、インターネットに接続するためのAPN設定を行うにも関わらず、ブラウザでサイトにアクセスしなければならないので、Wi-Fiに接続できる環境が必須だということだろう。
一方Android端末の場合、設定アプリからAPN設定の項目へと進み、所定の文字列を入力することで、APN設定が完了する。こちらの注意点としては、手動での入力なので、打ち間違いがあればインターネットに接続できないままだという点が挙げられる。
このように、APN設定がキャリアとの大きな違いだということは分かっていただけたかと思うが、もう一つ付け加えておくと、Aさんの場合自宅に帰ってからスマホの確認を行ったことが、トラブルを長引かせた要因の一つとなっている。もし店内でセッティングしてから帰るようにしていれば、インターネットに繋がらない時点で店員に相談ができたはずだ。
なお、APN設定がどうにも難しいと感じてしまうようであれば、有料オプションで初期設定を行ってくれるMVNOを選ぶのも方法の一つ。また、もしかすると親切に店員が教えてくれる可能性もあるので、店舗で購入した場合は一度声をかけてみると良いだろう。
■メールで連絡が取れなくなってしまった
続いては、キャリアから乗り換えることでキャリアメールが使えなくなった際の失敗談をお伝えしよう。
【Bさんのケース】
格安SIMへの乗り換えにより、キャリアメールが使えなくなることを知っていたBさん。事前に代わりのメールアドレスを用意することはせず、乗り換え後しばらくしてフリーメールのアカウントを取得した。
しかし知人にメールを送ったところ、いくら待っても返事は返って来ない。とうとうその知人と連絡が取れなくなってしまった。
Bさんのように、乗り換えるとキャリアメールが使えないということを知っている人は多いだろう。しかし、代わりのメールアドレスを用意するのが乗り換え後になってしまうと、今回のようなトラブルに繋がってしまう危険性をはらんでいる。
その原因は、メールアカウントの迷惑メールフィルターにある。キャリアメールの場合、信頼性の高いメールアドレスなので相手の迷惑メールフィルターに引っかかってしまうことは基本的にない。しかし、フリーメールはスパムとして利用されることも多く、送信してもブロックされてしまう可能性があるのだ。
メールが弾かれないようにするには、相手に自分のメールアドレスからの受信を手動で許可してもらう必要がある。だが、Bさんはメール以外の連絡手段が一切なかった。そのため、連絡を取ることができなくなってしまったというわけだ。
こうした事態を防ぐには、まず乗り換え前にキャリアメールの代わりとなるメールアドレスを用意し、キャリアメールを使って、新しく作ったメールアドレスの受信を許可してほしい旨を伝えるのが唯一の手段となる。キャリアメールでしか連絡が取れない相手がいる場合は、十分に注意してほしい。
格安SIMへの乗り換えで注意しなければならないのは、初期設定やキャリアとの違いだけではない。新たな端末を中古で購入しようという人は、以下のようなトラブルに遭遇する可能性がある。
【Cさんのケース】
格安SIMへの乗り換えを決めたCさん。スマホも一緒に変更しようと思いさまざまな機種を調べていたところ、新品はどれも高価なものばかりで手が出せなかったため、中古品から探すことにした。すると、ちょうど欲しい機種で状態も悪くないスマホが見つかったので、購入して早速格安SIMを挿入して使おうとした。スマホの扱いは慣れているつもりだった。しかし、なぜかネットワークに接続できず通話もメールも起動せず、一切使うことができない。そんな状態が一向に改善しなかったため、渋々別のスマホを購入する羽目になったのだった。
今回のトラブルは、購入した中古スマホが「赤ロム」だったことが原因だ。赤ロムとは、
・機種代金の残債が履行されていない
・窃盗などで中古市場に出回った
・紛失等で補償対象となっている
といった理由により、ネットワーク接続に制限がかけられた端末のこと。この中でもっとも可能性の高い原因は「機種代金の残債が履行されていない」だろう。
どういうことかと言うと、分割支払いでスマホを購入した人が、全額払い終える前に解約してスマホを売ってしまったとする。その状態のスマホは「白ロム」と呼ばれ、どのキャリアとも契約されていない状態であることを指す。
このとき、解約しても分割支払いはまだ残っているので、売ってしまった人は引き続き月々の支払いを継続させる必要がある。しかし、支払いが正常に行われなくなると、その端末は料金未納状態になるため、使用に制限がかけられてしまう、つまり赤ロムになるというわけだ。
Cさんの場合は初めから赤ロムだったため、端末の製造番号などを調べることで事前に防げたかもしれないが、購入したあとから赤ロム状態に切り替わる可能性もあるため、中古端末の赤ロムを確実に防ぐことはできない。
よって購入時には、まず上記で述べたようにその時点で赤ロムではないか確認すること、そして赤ロムだった場合に返金や交換などの対応をしてくれる、赤ロム保証のついたショップで購入することが重要となるのだ。
今回紹介した以外にも、格安SIMへ乗り換えることでトラブルが発生する可能性はいくらでもある。キャリアスマホで慣れているからといって油断せず、乗り換える際はしっかりと備えてほしい。
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