2018年07月30日
【安さだけではない!お得なサービスにも注目】
格安SIMの魅力について質問すると、ほぼすべての人は「料金の安さ」について回答するだろう。もちろんそれは間違いではなく、キャリアと格安SIMで同じデータ容量のプランで比較した場合、格安SIMに乗り換えると月額料金を半額以下に抑えられることも珍しくない。
しかし、格安SIMと一口に言ってもその数は数十社に及び、純粋な安さのみで考えるとどこも大きな差はない。そのため、これらの中で契約する格安SIMを選ぼうとしても比較が難しい状況にある。
そこで、今回注目していきたいのが、それぞれの格安SIMが独自に展開しているサービスだ。サービスの充実度には大きな差があるので、お得度の高い独自サービスを中心に紹介していこうと思う。
キャリアと比べてサービスが劣っている、と見られがちな格安SIMの新たな魅力に触れることで、今後キャリアから格安SIMに乗り換える際の注目ポイントの1つにしてもらえると幸いだ。
格安SIMならではのお得なサービスのなかでも、比較的多くの格安SIMが提供しているのが「カウントフリー」だ。
カウントフリーとは、特定のアプリやサービスを利用するときに限り、通信を行ってもデータ容量を消費しないというサービスのこと。どのようなアプリやサービスが対象になっているのかは格安SIMによって異なり、たとえば「BIGLOBEモバイル」ではYouTubeなどのエンタメ系サービスを、データを消費せず利用することができる。
ほかにも、「DMM mobile」や「LINEモバイル」では、LINEやTwitterなどのSNSアプリを対象にカウントフリーを提供しているなど、まったく異なるサービスを対象に各社が展開している。
そのため、カウントフリーを利用する場合、普段自分がよく使うアプリやサービスを参考に、どこと契約するか決定するといいだろう。もしYouTubeの動画をいっぱい見たいのであればYouTubeに対応するカウントフリーを、SNSで頻繁にやり取りするのであればSNSに対応するカウントフリーを提供する格安SIMを選ぶ、といった具合だ。
また、カウントフリーは格安SIMによってサービス料金に大きな差がある。
例えば、先ほど挙げたSNS系アプリに対応するカウントフリーを提供する2社の料金を見てみよう。「DMM mobile」のカウントフリーは月額250円で提供されている。一方、「LINEモバイル」は、若干対象となるアプリの種類は異なるが、同様のSNS系アプリ対応のカウントフリーを無料で提供している。
ただし、「LINEモバイル」に限定した話ではないが、カウントフリー自体は無料でも、そもそものプランの料金がカウントフリーの提供も踏まえた金額になっていたりする可能性もあるので、カウントフリーのサービス料金が無料だからといって、一概にお得だとは言えない点については注意してほしい。
また、格安SIMによっては、特定のプランで契約した場合のみ、カウントフリーも利用できるという条件を設けていることもある。カウントフリーの内容に惹かれてその格安SIMを選んだのにも関わらず、契約したプランはカウントフリーの対象外だった……なんてことにはならないように気を付けたい。
カウントフリーはいくつかの格安SIMで提供されている比較的メジャーなサービスだが、ほぼ完全に独自のサービスや特典を提供している格安SIMも存在する。
まず紹介するのは、「mineo」が運営するコミュニティサイト「マイネ王」だ。マイネ王はmineoユーザー、もしくはメンバー登録した人であれば誰でも利用できるコミュニティサイトで、ユーザー同士やスタッフと掲示板で会話したり、わからないことを質問したりすることができる。メンバーでなくても内容の閲覧だけなら可能だ。
ほかにもプランに対するレビューを確認できたり、オリジナルのアドベンチャーゲームをプレイできたりするなど、ただの掲示板サイトではない、総合的なコミュニティサイトだと言えるだろう。
また、マイネ王で利用できるサービスで注目したいのは、この「フリータンク」。こちらはmineoの全ユーザーが余ったデータを共有のタンクに入れておき、それをほかのmineoユーザーが利用できるというサービスだ。タンクから引き出すには多少条件があるが、データ残量が少なくなったときに、無料でチャージできるのは非常に画期的だと言えるだろう。
なお、全員が引き出すだけではタンクが空になってしまうので、月末にデータが余っているときは、月が替わる前にすべて入れておくようにするなど、助け合いの精神で利用する必要がある。
他にも紹介しよう。「楽天モバイル」では月額料金の支払い100円につき、楽天スーパーポイントが1ポイント貯まるという、独自の特典がある。
また、「楽天モバイル」のすごいところは、ただ単にポイントが貯まるだけではなく、貯まった楽天スーパーポイントを月々の支払いに利用できるところだ。もちろん、楽天市場や楽天トラベルといったほかのサービスで貯まった分のポイントも利用可能である。
普段から楽天カードを使う機会が多く、楽天スーパーポイントをあまり使わずに貯めているような人は、通信料金の支払いに充ててみるのも良いのではないだろう。
上記で紹介したようなユーザーがお得になるサービスとは異なるが、「イオンモバイル」の「無料貸し出しサービス」は、かなり画期的な取り組みの1つとして紹介しておきたい。
こちらは「イオンモバイル」のユーザー向けではなく、「イオンモバイル」で契約していない人に向けて、端末とデータSIMをセットで1週間、無料で貸し出してくれるサービスだ。
キャリアも格安SIMも同じだが、基本的にその会社のSIMを試してみたいと思っても、契約する以外に利用する方法は存在しない。格安SIMはキャリアと比べて通信速度が遅い傾向にあるため、実際どれほどの速度で通信できるのか、契約前に知りたいという人はかなり多いだろう。そこで、イオンモバイルのこのサービスを利用すれば、無料で1週間試すことができるので、乗り換えにおける大きな心配事の1つを解消することができるのだ。
サービスは20歳以上であれば誰でも自由に利用することができる。貸し出してもらえるスマホは「arrows M03」で、SIMカードはドコモ回線のものとなっている。
なお、貸し出してもらうには、本サービスを実施しているイオン店舗で、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類を提示し、直接申し込む必要がある。
また、貸し出し可能な数には限りがあり、常に利用者で埋まっているような状況の店舗も多いようなので、実際に試すことができるかどうかはタイミングも大きく関わってきそうだ。
今のところ、こうした無料の貸し出しサービスを実施しているのは「イオンモバイル」のみとなっているが、今後同様のサービスが増えてくる可能性もある。格安SIMへの乗り換えを検討するうえで、これ以上ないサービスの1つだと思うので、各社の動向については今後も注目していくといいだろう。
ここまで紹介してきたように、カウントフリーやコミュニティサイト、ポイント特典に無料貸し出しサービスまで、格安SIM各社はさまざまな独自サービスを展開している。
ここで触れたサービス以外にも、まだまだ多様なサービスが展開されているので、「格安SIM=サービスが悪い」と決めつけることなく、いろいろな情報を見比べて、キャリアからの乗り換えを検討してみてほしい。
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